くる恋 記憶喪失という選択

 

くる恋を見られたはどれくらいいらっしゃるだろうか。

記憶喪失となったヒロイン、まことが鞄にはいていた指輪を手がかりに本当の彼氏を見つけていくというストーリーだ。

現代、もし記憶喪失になった場合、まずは携帯を確認することが多いのではないだろうか。実際、まことも携帯を確認したもののおとしたときの衝撃でLINEの過去のトーク履歴を復活させることはできず、親の連絡先も分からずじまいのようだ。

そう思えばLINEはかなり脆弱なツールだということに気づかされる。バックアップをとらずにアプリが消えれば履歴を復活させることはできない。なんとも弱いシステムを日本人はつかっているのだろうか。

 

さてLINEの批判はここまでにして、私自身、記憶喪失になったらどうなるだろうかと考えてみた。主人公のように前向きになれず、すべての人に警戒感を持つかもしれない。そうすると自分の意見は出せず、臆病になるかもしれない。

しかし、主人公は逆で記憶喪失になることでいままでと違って自分の意見を出す、自分らしさを出せるようになった。これができる人がどれくらいるのだろうか。自分らしさ(アイデンティティー)が何か分からなくなると、不安になるのは人の摂理だと思う。

実際、まことも自分らしさを目一杯だしたことで、勢いで仕事を辞めてしまい、後悔をしていた。その後、公太郎に会社を辞めたことを話してかけられた言葉が「まことらしいじゃん」。あの時のまことの笑顔が忘れられない。

自分のアイデンティティーを認めてくれるのも、また人であり、そしてそれが人生の最高の喜びだと思う。